【種 名】 カワナビロウドマイマイ Nipponochloritis kawanai
【分 類】 柄眼目 ナンバンマイマイ科
【写真撮影場所】 栃木県
【形 態】
殻の表面に、短い毛状の殻皮が非常に高密度に生えています。ビロード状の殻皮が鈍く光る、非常に美しい陸貝です。
殻の幼層は鱗片状の殻皮ですが、体層部では短い毛状の殻皮に変化することが特徴です。
カワナビロウドマイマイの属するビロウドマイマイ属 Nipponochloritis は、日本固有種です。
本種の分布は関東北部に限定されており、福島県と栃木県、群馬県、長野県から生息が報告されています。なお、北関東以外の地域からの報告は、種の検討を要するものが多いのではないかと思われます。
ビロウドマイマイ属の分類は難しく、個体数も少ないために、本属各種の認識は研究者間で必ずしも一致していないのが現状です。今後の研究によって、新たな知見が加わることが期待されます。
愛知県産のビロウドマイマイ属について(PDF、974KB)
近畿地方に分布するビロウドマイマイ属貝類(PDF、1.1MB)
カワナビロウドマイマイは、沢沿いの陽の当たらない斜面林の、朽ちた倒木や岩礫の下に生息しています。
本種は1カ所に生息する個体数が少なく、なかなか見つかりません。めずらしいカタツムリの一種といっても良いでしょう。
それだけに、深山の黒褐色に朽ちた倒木を起こし、そこにカワナビロウドマイマイがいた時は、白く輝く繊細なビロード状の殻皮毛と、発見した喜びで感動します。
樹木が鬱蒼と茂る、環境の良い山に入った時は、沢沿いの倒木をちょっとひっくり返してみてください。彼らがひっそりと、そこに暮らしているかもしれません。